専務手記
霧島六社権現 ~その⑤~
2013.02.14
前回から引き続き、「東霧島神社」をご案内致します。(^-^)
さて、神石を見た後に神社内をさらに奥へと進むと、
・・・・見えてきました。
東霧島神社のもう一つのメインスポット。
鬼が一夜で築いたと言われている、「石階段」です。
言い伝えによると、
昔この周辺の土地には鬼が住みついており、
田畑を荒らし、住民に悪の限りを尽くしていました。
その住民の中にたいへん気品がある娘がおり、
その娘を嫁にする為に鬼は再三口説きます。
しかし、その願いはもちろん叶わず、
鬼は更なる嫌がらせをしてきました。
困った住民達は霧島の神様に、鬼をどうにかしてほしいと願いをかけたそうです。
それを知った霧島の神様は鬼達を集めて、こう話したそうです。
「この神殿に通じる階段を一夜にして千個の石で築け。もし出来たならお前達の願いを叶えよう。
出来ない時にはこの地を去れ。」
そのような約束をした鬼達は、ある日。
夜も更け静まり返った時間から石段造りに取り掛かります。
鬼達は怪力の持ち主。
あれよあれよと石段が積み上がっていきました。
それを見ていた霧島の神様は困りました。
「このままでは悪がはびこってしまう・・・。」
そこで神様は東の空を少しだけ明るくし、
長鳴き鳥をたくさん集めて鳴かせました。
すると鬼達は夜明けが来たと勘違いをして
999個の石を積み上げた所で退散したそうです。
圧巻の石階段です。
早速登って本殿を目指します。
この石段は後に、「振り向かずの坂」とも言われ、
天台宗や真言宗の僧侶達が一心に呪文をとなえながら修行をしたと言われます。
一度も振り返らずに上ると願いが叶うとか。
私も一心に登りました。
登りました。
登りました。
私の願いごとは一つ・・・
「早く石段が終わってくれぇ~。ゼェ、ゼェ。泣」
(オニさん、もう少し緩やかな勾配で作ってくれたら嬉しかったです・・・。)
本当に急勾配でした。
頂上の門の付近は特に大きな岩で作られており
登るのも一苦労です。
この階段の途中にも見所がいくつかあります。
階段の一番下。鬼の向かい側にそびえている大クス。
この大樹には人が通れるぐらいの空洞があります。
ここを右に三回、左に三回巡って祈れば安産になるとか!
また、階段の途中には何人かの神様が祀られており、
小さなお社がいくつもありました。
その中で猿田彦が祀られているお社があるのですが。
皆さん、猿田彦をご存知ですか?
天孫降臨の際に道案内をした神様です。
この神様、おもしろい特徴がありまして、
実は・・・酔っ払ってる神様なんです。
だから全国にもたくさん猿田彦神社はあるのですが、
神社までの参道が曲がっているところが多々あります。(酔っぱらって千鳥足だから?)
ここのお社の岩もそうでした。
普通のお社は・・・。
猿田彦のお社は・・・。
参考に霧島市霧島町にある猿田彦神社の参道は・・・。
見えづらいかもしれませんが、参道がクランクになってます(^-^)
ゼェ~ゼェ~と激しい息遣いの中、
ようやく頂上の門をくぐる事ができました。
するとそこには、ロッククライミングの疲れを忘れさせてくれるような立派な社殿が。
こちらの社殿内には、島津家が奉納したお神輿や、
島津家が東霧島神社に行った数多くの造営や寄進を関係づける古文書(朱印状)などが
保管されているみたいです。
また、東霧島神社は「龍」と関わりがたいへん深く、
社殿の奥には雌雄1対の龍が彫られた立派な柱や扉があるそうです。
そういえば、石階段の下の方にも「龍王神水」と言うものがありました。
そのせいなのか、龍にまつわる自然現象まで起きているそうです!
それは、本殿前の門の所に次のような立て看板があります。
何?! 龍神現れる?
言われる通り、上を見てみると、
・・・。
う~ん、龍に見えるような。(^_^;)
東霧島神社は本当に見所満載の神社でした。
この他にも書きたいエピソードがいくつかありますが、
どうぞ一度皆様も足を延ばして実際に見てみて下さい(^-^)